USS東京2025年5月のオークション、季節指数通り上昇へ

- 目次
成約率は低水準だが徐々に上昇、更に上がる可能性も!?
5月USS東京の集荷台数は73,732台、出品台数は前年同月比115.6%とこの時期にしては非常に多い流通台数であり、上昇率も高いと言えます。※2023-2024年5月の前年同月比は102.6%。成約率は前月比から2.0%微増、前年同月比では▲8.7%と前年同月は輸出需要が活発であったこと、メーカー不正により、中古需要が強かったのが差に出ています。【グラフ1】

成約単価は1,602千円まで上昇、97千円の大きな上昇幅となっており、この時期らしい相場変動となっています。内外需の引き合いが強かった前年同月比では▲22千円に留まっており、全体の価格自体はあまり落ちていないことが分かります。【グラフ2】

全体的には流札台数が前年同時期に比べ多いと感じられる一方で成約率は60%前半といことから売れている車は非常に高く、売れていない車は相場下限に達していないことから応札に二極は非常に強いままと言えます。
カテゴリー別の傾向
USS東京全体の成約率は前月比2.0%微増となりましが全体的に上昇が見られる一方で前月比を割っているカテゴリーもあり、輸出では一部の大きな増減の変化が出てきています。
前月から上昇が大きかったのは「ミニバン」「RV」など輸出の引合いが割と強いカテゴリーの反発が見られます。逆にこれも輸出が強い「商用車」の成約率低下が目立っており、出品店の期待値を下回っていることが分かります。【表1】

6月以降、どーなる?
ここ数年の動きでは更に上昇が続き、7月をピークに徐々に低下に入っていくのが潮流なっています。今年4-5月の上昇幅は例年通り2桁近い幅となり、「相場の変動時期」は例外なく時期通りの傾向に入っています。
昨年の6月は強烈な円安(160円台)により輸出需要が非常に高まりました(夏にはコンテナ不足により大幅減)。AAの応札状況にも影響、更にメーカー不正などにより新車が大幅に落ち込み、中古車需要が強まりました。内外需とも非常に引合いが強く成約率、成約単価共に大きく上昇となったことは非常に強く印象に残っていると思います。トランプ関税もあり、前年同月と比べ15円高く(145円前後)、輸出に対してのけん制が見られる一方で、2月下旬からのスリランカ輸出再開、一部輸送費の低下や放射線検査の廃止など追い風となる材料が出てきています。流通台数がまだ多い状況ですが徐々に減少し、6月以降も更に価格上昇となる可能性は高いと言えます。
- この記事の執筆者
-
倉田 佑一郎
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。