USS東京2025年4月のオークション、残留車増で下落へ

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相場上昇の兆し?最終週成約単価上昇!
4月USS東京の集荷台数は75,296台、出品台数は前年同月比121.2%と大幅増加、成約率においても60%台前半まで低下したことで残留車が増加しており出品台数の増加に繋がり、最終週においては60%ジャストまで低下しました。【グラフ1】
他会場でも同じような動きが見られUSS系では名古屋・横浜が同じ前月比約20%増、HAA神戸では約35%の増加となりました。

成約単価は1,505千円と1,500千円割る直前まで低下、ただ、最終週においては1,551千円まで再び上昇したことから売れている車両は競っており、徐々に相場の上昇傾向が見られます。【グラフ2】

全体的な下落推移は例年通りですが前月からの下落幅は成約率で3.3%と大きく、成約単価は例年横ばいから微増傾向にあるのに対し、逆に低下が進んでおり、2022年4月以来の特殊な動きとなっています。
カテゴリー別の傾向
USS東京全体の成約率は前月比-3.3%だったこともあり、多くカテゴリーで前月比割れが見られます。特に成約率で下落幅が大きかったのは、「ハイブリッド」で前月比-4.9%、次いで「輸入車」が前月比-3.9%、「RV」「商用車」など輸出傾向が強いカテゴリーにおいても-3.0%台の減少となっています。全体的な成約率低下が見られる中、バイヤーに人気の「初出品」コーナーにおいては+1.0%となっており、応札が集中していたことが分かります。【表1】

5月以降、どーなる?
季節指数、例年の動きから5月以降徐々に成約率・成約単価ともに上昇していく傾向となります。グラフ1・2の動きから2025年4月は2022年4月の動きに類似しており、「上昇幅」が非常に大きくなる可能性も秘めています。成約率低下に伴い、残留車が膨らんでいることから徐々に損切が始まり、新たな相場が形成される時期となりますので相場変動には細心の注意が必要となってきます。
一方、賃金の上昇幅に比べ物価上昇の速度が非常に早く、消費マインドは非常に低く、商品特性として「贅沢品」に位置づけらる「車」の優先順位は明らかに下がっていることから需要の低調傾向が続く可能性もあり、一概に上昇傾向に転ずるとは限らないことも考慮しなければならないと感じられます。
- この記事の執筆者
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倉田 佑一郎
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。