車は価格交渉できるけど、カーリースは値引きしてもらえる?

車は価格交渉できるけど、カーリースは値引きしてもらえる?

ディーラーで車を購入するとき、値引き交渉するのはあたり前となっていることで、ディーラーも値引きが難しい場合はオプション装備をサービスするなどといった対応をしてくれたりします。

では、カーリースでの値引きはどうなのでしょうか。
今回はカーリースで値引き交渉ができるのか、そしてなるべく安くカーリースを利用するためにはどうしたらいいのか、そのポイントをご説明します。

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カーリースは値引きしてもらえるのか

車を買うときにはあたり前の値引き交渉ですが、カーリースでの値引き交渉というのは、基本的にはできません。以下、その理由をご説明します。

基本的には値引きはできない

カーリースは、リース会社が所有する車を一定期間借りる仕組みです。その月額利用料金は、「車両本体価格 - 残価」をもとに算出されるため、基本的に利用者が値引き交渉をする余地はありません。

ディーラーで購入するときのように、「○万円値引きしてくれたら買う」といった交渉は難しいのが実情です。

値引きできない理由とは

もう少し具体的に説明すると、自動車メーカー→ディーラー→リース会社という流れの中で、リース会社はすでにディーラーとの交渉で仕入れ価格を抑えている場合があります。

しかし、利用者に対しては「残価を考慮した料金設定」が確立しているので、そこからさらに値下げするのは困難です。要するに、「ディーラーでの値引き交渉」と「リース利用者による値引き交渉」は別問題と考えましょう。

ディーラーでの値引きとカーリースの費用構造

ディーラー購入とカーリースには、そもそも値引きが発生する仕組み自体に違いがあります。以下の表で簡単に比較してみましょう。

項目 ディーラー購入 カーリース
値引き交渉 メーカー→ディーラー→顧客の流れ
販売台数やキャンペーンに応じて値引き可能
リース会社がディーラーと交渉済
利用者がさらに値引きを求めるのは難しい
価格構造 ディーラーが仕入れた価格 +
利益 = 販売価格
「(車両本体 - 残価) + 付帯費用」を
ベースに月額を設定
所有者 ローン完済 or 現金一括で購入すれば
自分が所有者
リース会社が所有者
契約満了後は返却 or 買い取りプラン次第
交渉のメリット 大幅な値引きを引き出せる可能性あり 手続きがシンプルで
税金や車検費用込みプランも多数
向いているケース 車を資産として残したい
カスタマイズを楽しみたい
頭金なし・月々定額で乗りたい
家計を安定させたい

ポイント

  • リース会社は仕入れ段階で値引き交渉を行っているため、利用者が個別にさらに値段を下げるのは難しいということです。ただし、のちほど紹介するように契約期間や頭金の有無などで、実質的に月額料金を安くする手段はいくつかあります。

カーリースの利用料金を抑えるコツとは

カーリースで値引き交渉は難しいものの、月々の支払いを下げる方法はいくつか存在します。

中古車リース vs 新車リース

同じ車種でも「中古車リース」と「新車リース」では車両本体価格が異なるため、月額リース料金に大きく差が出ることがあります。

以下の例は、コンパクトカーを5年間リースする場合のイメージです。

車種(例) 中古車リース(3年落ち, 走行2万km程度) 新車リース(登録諸費用込み)
車両本体価格 約120~140万円 約180~200万円
頭金 0円でも可 0円でも可
月々のリース料金 2万円台前半 3万円台後半
契約期間中の維持費 リース料金に込みの場合が多い 同様
返却時 原則返却 or
買い取りプランあり
原則返却 or
買い取りプランあり

ポイント

  • 中古車リースは在庫1点ものなので、希望の車種・グレードが見つかるかは運次第。その代わり、新車より圧倒的に費用を抑えられる可能性があります。

契約期間を長くする

契約期間を長くすると1か月あたりの負担額が下がりやすいです。ただし、長期契約は途中解約できないリスクも伴うため、ライフステージや家族構成の変化が少ない人向け。

頭金を用意する

カーリースの利用料金には、登録に要する費用も含まれています。それも含めて頭金を用意すると、利用料金の大元となっている金額を下げることができるため、そのぶん月額の利用料金を抑えることが可能です。

ボーナス併用払いを利用する

月々の収入は低めだが、ボーナスはたくさんもらえる、というのなら、ボーナス併用払いを利用すると月額の利用料金を大きく抑えることができます。ただし、ボーナスは会社の業績によって支払額が左右されやすいため、これだけに依存してしまうというのもおすすめはできません。
バランスを十分に考慮した支払いプランを相談して決めるようにしましょう。

走行距離制限を短くする

カーリースの利用料金は車両の価格から残価を引いた額が基本となりますので、残価が高くなればそのぶん利用料金を抑えることができます。
この残価は、契約期間終了後の車の価値となるため、走行距離制限を短くすると、そのぶん価値が高くなる、ということにも繋がります。

この走行距離制限は毎月の距離をベースとしてはいますが、最終的にはトータルで見ることになりますので、ある月は多く走ってしまっても、その後走行距離が少なければ問題とはなりません。
ご自身の車の使いかたを十分に考え、短めの距離制限とすれば、使い勝手を変えずに利用料金を抑えることも可能となります。

車のグレードを下げる

同じ車であっても、高グレードと低グレードでは販売価格が大きく違う場合があります。
もちろん装備面では違いは出ますが、どうしても乗りたい車があって、それでも利用料金を抑えたいという場合には、低グレードを選べば、高グレードよりも低い利用料金でカーリースを利用できます。

同じ意味で、オプション装備をなるべく省く、というのも利用料金を抑えるためには大きなポイントとなりますので、車を決めるときには十分に検討をしてみてください。

さらに安くカーリースを利用する方法とは

お買い物や病院、学校、習い事の送迎などがメインの使いかたとなるような、たとえばセカンドカーとしてカーリースを利用したい、などという場合には、なるべく利用料金を抑えたいはずです。

そんなとき、知っておきたいカーリースをご紹介します。

中古車カーリースを利用する

カーリース会社によっては、中古車をリース車として提供する『中古車カーリース』を扱っているところがあります。
これは文字どおり、中古車を貸し出すもので、新車よりも価格が安いためにそのぶん、利用料金も抑えられています。

中には、契約期間終了後はそのまま車が自分のものになる中古車カーリースもあって、これを利用すれば、よりお得にカーリースを利用することが可能です。
ただ、ベースとなっているのは中古車なので、装備なども含めてこれは、と思った車があっても、ほかの人が契約してしまうと同じ装備の車が見つかるかどうかは、運次第となります。

走行距離やキズなど、車の状態についても中古車は1点ものとなるため、こまめに中古車カーリースを扱っているカーリース会社のホームページなどをチェックしておく必要があります。

カーリースの総支払額を抑えるための注意点

カーリースは契約期間中での中途解約ができません。事故で廃車になってしまったなど、やむを得ない場合には、それ以降の利用料金も含めた精算金の一括精算が必要となってしまいます。
そのため長期の契約をする場合にはとくに注意が必要です。

また、契約期間が終わって車を返却する際には、原状回復をしなければなりません。たとえばカスタマイズなどをしている場合には、元の姿に戻さなければなりませんし、あまりに大きなキズや凹み、汚れなどがある場合には、違約金が発生してしまうこともあります。

そのため、カーリースを利用する際には、日頃から丁寧な運転を心がけ、キレイに車を使うようにしておきましょう。

カーリース会社によっては、原状回復費用が補填されるプランを用意しているところもあります。カーリースの利用を検討される際には、そういうプランを利用した場合にはどのくらいの利用料金となるのかも確認しておきたいところです。

よくある質問(FAQ)

Q1. カーリースの値引きは本当にまったく無理なの?

基本的には難しいです。リース会社が仕入れる段階でディーラーと値引き交渉しているため、利用者が交渉しても料金体系が固まっているのが実情。ただし、頭金・走行距離・契約期間などの調整で月額を抑える余地はあります。

Q2. リース満了時に車が気に入れば買い取れる?

一部のリース会社では買い取りオプションや「リース終了後はそのままもらえるプラン」を用意しています。事前に確認しておくと、気に入った車を手元に残せるかもしれません。

Q3. 中古車リースは新車と比べてリスクは?

車の状態(走行距離や前オーナーの使い方)に左右されます。ただし、大手リース会社なら整備や点検を十分に行ったうえで提供しているケースが多いので、リース開始前の車の状態を確認できれば安心感は高いでしょう。

Q4. 走行距離制限があると遠出できなくないですか?

月1,000~2,000kmなどが標準ですが、多少の超過なら追加料金を払えば走行可能です。長距離ドライブや出張が多い方は、距離制限のゆるいプランを選ぶか、最初から余裕ある上限で契約するとストレスが少ないでしょう。

Q5. 値引きの代わりにオプションサービスを付けてもらうことは?

リース会社によっては「メンテナンスプランを無料アップグレード」など柔軟な対応をしてくれる例もあります。ただし、大幅な値引き交渉ほどの期待は難しいため、相談してみる価値はある程度、と考えましょう。

まとめ

今回は「カーリースで値引き交渉ができるのか」という疑問に対し、基本的に値引きは難しいけれど、いくつかの工夫で月額料金を抑える方法があることをご紹介しました。

値引き交渉ができない理由

リース会社がディーラーと交渉して仕入れているため、利用者がさらに値下げを求める余地がない。

料金を抑えるコツ

  • 契約期間を長くする / 頭金を入れる / ボーナス併用払い
  • 走行距離制限や車のグレードを見直す / 中古車リースを活用

注意すべき点

中途解約不可や返却時の原状回復など、リース独自のルールをしっかり理解しておく。

カーリースは購入と異なり、初期費用が少なく、維持費を定額化しやすい一方、カスタマイズ制限や返却時の精算など注意点もあります。「月々定額で管理したい」「大きな頭金を用意したくない」という方には大きなメリットがあるので、ぜひリース会社のプランを比較・相談しながら、自分に合った最適なカーリースを見つけてください。

【貯金0円でもOK】新車が月額5,500円~
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この記事の監修・執筆者
高田 林太郎

高田 林太郎

自動車雑誌の編集者として出版社に勤務したのちフリーランスライターとして独立し、自動車業界歴は33年。国産・輸入車の試乗記やカスタマイズパーツのインプレッション、自動車周辺企業への取材などをメインにおこないつつ、パーツ開発に対するアドバイスやブランディングコンサルタントなど、自動車業界の現場にてさまざまに活動中。