【修復歴車の見極めポイント第8回】リア編「リアクォーター」
前回は車体側部のサイドステップ(ピラー)について触れました。ピラーは車体の屋根を支え、キャビンを守る重要な骨格で「修復歴」の中でも重度の修復歴車扱いになります。また、ピラーの修復歴は見落としやすい部位でもあります。
今回から車体の「リア」部分の修復歴に入りますが「リア」もフロントに比べ見落としがちな部位となります。特にベテランほど見落としが多い部分であるのも特徴です。要因として地面に膝をつき、体をひねった厳しい態勢で確認をしないと見えないため、「思い込み」で判断してしまう傾向が極めて高いからです。目視し辛い部位ですが、目視することを徹底することで見落とす確率は劇的に減少します。
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リアクォーター(リアフェンダー)とは
車体後方のリアピラー(Cピラー)からトランク(リアハッチ)にかけて、リアタイヤハウスの上部をクォーターパネル(フロントフェンダーに対して、リアフェンダーという言い方もあります。)と呼びます。
以前は、クォーターパネルを交換すると修復歴扱いとなっていましたが、現在は、外板パネルであるクォーターパネルの交換のみであれば、修復歴車の扱いにならず評価点3.5点(一部の会場では3点)となります。
フロントフェンダーは、ボルト留めである一方でクォーターパネルは溶接留めとなったおり強度があります。そのため、フロントフェンダーの交換は4点でとどまりますがクォーター交換はダメージがより強いという意味から評価点は3.5点と0.5点減点となります。
見極めのポイント
リアクォーターパネルの交換歴を確認する際、ウィザーストリップを外して溶接の状態を確認していきます。クォーターは、車体の形状から板金(叩き出しが難しい)をするよりも交換をした方が早いケースが多く、ダメージが大きい場合は、交換処理をします。
クォーターパネルを交換している場合、前部(フロント)同様にリアインサイドパネルに衝撃が及んでいる場合も考えられますので実車を査定する際には、要注意です。
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- ①クォーターパネルの塗装ムラ、各接合部のシーラントを確認
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全体を見渡して不自然な塗装はないかを確認し、シーラントの状態を確認します。
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- ②クォーターパネルのスポット溶接を確認
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次に全体を見渡してスポットの打ち方は均一か、スポット溶接の2度打ちはないかを確認します。
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- ③クォーターパネルの交換工程
- この記事の執筆者
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倉田 佑一郎
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。