【修復歴車の見極めポイント第1回】修復歴を見分けるには、まず外板パネル
車両を販売した場合、下取り車が発生するケースも多くあります。商談の内容によっては、下取り車の査定が先に発生することも少なくありません。ここでもっとも怖いのが「修復歴」を見落としてしまい、修復歴無しの相場価格を参考に下取ってしまった場合、大きな損失となります。「修復歴」を判断出来るまでには、非常に多くの知識と時間、経験を要します。ここでは、「知識面」の部分を数回に分けてご紹介していきます。
- 目次
修復歴車の定義
以前にもご紹介した通り、「事故車」=「修復歴車」ではありません。
「主要骨格部位」に損傷、もしくは修理、交換歴のある車両を「修復歴」として扱います。骨格までにダメージが波及するということは、基本的に外側のパネルを通っています。よって、車のボディの修理歴、交換歴を発見することが「修復歴」を見極める初めのステップになります。査定は「外から内」が基本の考え方になります。
外板パネルのダメージを探る(フロント編)
まずは、少し離れた場所からナンバープレートを中心に全体を見渡し、不自然な箇所はないか確認していきます。
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- ステップ1「ナンバープレート」
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- ナンバープレートに大きなキズ、曲がり、破損がないか、取付状態が正常であるか確認
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- ステップ2「車両全体の印象」
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- 左右ヘッドライトレンズのくもり具合(新しい・古い)を確認
- 各パーツに欠品はないか、社外品(アルミやエアロ)の確認
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- ステップ3「外板パネル」
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ボンネットのチリや塗装面が不自然じゃないか
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外板パネルへの景色への映り込みやプレスラインが正常かを確認
- Aの視点
- ボンネット前部から凹凸、板金跡をチェックします。同時にボンネットの「チリ(隙間)」が均等か、同時にボンネットの「チリ(隙間)」が均等か、ないかチェックします。
- Bの視点
- 運転席の上部あたりからボンネットの凹凸、板金跡をチェックします。ボンネットのライン上のダメージなどもここから確認します。
- Cの視点
- ボンネットのわきから全体をチェックします。塗装面に色ボケやムラ、大きなキズ、凹みがないか等を確認します。
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- ステップ4「各ボディ取付部の確認」
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ボンネット、ドア取付部分のボルトチェック
※左:工具のかけたあと、右:ボルトの下にズレ
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フロントフェンダー取付部分のボルトチェック
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上記に交換、修正跡が見られた場合、フロント修復が疑われます。次回は、フロント修復歴について記載したいと思います。
- この記事の執筆者
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倉田 佑一郎
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。