【速報】ダイハツ問題、販売現場の状況。キャンセルできる?返品できる?安全なの?

ダイハツ工業株式会社本社の外観
出典:
Googleストリートビュー

こんにちは、カーリース「ニコノリ」の事業責任者の安田です。
現在、ダイハツ工業の認証申請における不正問題が世間を騒がせており、私たちを含む販売現場は大きな混乱に見舞われている状況です。

現時点で、私たち販売現場がどのような対応をしているのかをお伝えいたします。

※本記事は2023年12月22日(ダイハツ工業が本不正問題の会見を行った2日後)に執筆しています。

今回の問題の正直な感想

まず私は今回の件で以下のように感じました。おそらく、多くの販売現場の方が同様ではないかと思います。

  • またか!
    ダイハツ工業は今年5月に小型SUV「ロッキー」で衝突試験の不正が発生し、販売停止となった経緯があります。それから1年も経たず、今度は「全車種」の停止とは…正直、空いた口が塞がらないという思いでした。
  • 時期が悪すぎる!
    車の販売、特に新車の販売は、1年の中で「1月」が最も車が売れる時期です。
    メーカーも、それに合わせて魅力的なモデルチェンジや販売促進企画を多数投入してきます。
    コロナの影響もほぼ収まり「さあ今年の初売りこそは!」と、どの販売店も意気込んでいた中で…思いっきり冷や水を掛けられた状況です。
  • 販売店への補償はあるのか?
    私たちニコノリは、国産全メーカーの新車を取り扱っていますので、ダイハツ車が売れなくても他のメーカーの車を売ることができます。
    しかしダイハツがメインの販売店では、車を売ることができなくなる…当然、甚大な影響が出るでしょう。そういった販売店への補償などが今後あるのか、業界の人間としてとても心配をしています。

お客さまへのご案内

今回の問題で最も重要なことは、自分たちのお客様へできるだけご迷惑・ご心配をおかけしないことです。
私たちニコノリでは、ダイハツ工業からの発表やディーラーとのすり合わせを踏まえ、以下のような対応を現在行っています。

①ダイハツ車で商談中のお客様

現時点ではダイハツ車をオーダーすることはできないため、ダイハツ車で商談していたお客様へは別のメーカーの車を提案し、商談を継続しています。

②ダイハツ車で契約し、納車をお待ちのお客様

ダイハツ車の生産工場の稼働がストップしたため、納期が全く見通せない状況となってしまいました。

そのためお客様には、
「このまま納車をお待ち頂く」か、
「別のメーカーの新車や中古車に切り替える」か。
というご判断をお願いしています。

③すでにダイハツ車にお乗りのお客様

ダイハツ工業は、自社および第三者機関による検査により車の安全性能や環境性能の問題はないことが確認されていると発表しています。
※キャストに関しては、現在検証中。

そのため、車の利用を中止する必要はありませんとお伝えしています。

よく頂くご質問

私たちのお客様からよく頂くご質問と、それに対する私たちの回答をご紹介します。

Q1.ダイハツ車の納車待ちだが、キャンセルできる?

はい、通常は正式発注を頂いたあとはキャンセルできないのですが、今回に関してはダイハツがキャンセルを受け入れています。
ダイハツ車が不安ということであれば、私たちニコノリでは他メーカーのお車に切り替えることも可能です。もし納期をお急ぎであれば、中古車リースをご案内いたします。

Q2.ダイハツ車に乗っているが、返品できる?

申し訳ありません、現時点では、車そのものの問題や瑕疵は確認されていないため、返品はお受けできません。

万が一、今後そのようなことが出てきた場合は、リコール等での対応になるかと考えられます。
どうしても今のお車では困るということであれば、お車の現在の価値での買取をさせていただきます。

Q3.車は本当に安全なの?

はい、ダイハツ工業の自社検査、および第三者の検査機関(テュフ・ラインランドグループ)の検査では、法規で定められた性能要件を満たしていることを確認しているとのことです。
※キャストに関しては、現在検証中になります。

今回の問題は、あくまで検査の不正に対する処分で決着か?

ダイハツ工業株式会社ホームページ
出典:
ダイハツ工業株式会社ホームページ

今回の問題は、私たちにとって突然飛び込んできたニュースですが…水面下では、ダイハツ工業と国交相の間である程度のすり合わせが前もってできていたものと思われます。
でなければ、発表時点ですでに自社検査が完了し、安全性に問題がないと即座に発表することは難しいでしょう。
そのためこの問題がダイハツ車の安全性そのものの問題に発展する可能性は低く、あくまでも「検査の不正」に対する処分がダイハツに下る、ということになりそうです。

とはいえ、今回の件でダイハツ車の信用が大きく失墜してしまったことは間違いありません。
ダイハツ工業には信用回復に向けた本気の取り組みを期待しています。

この記事の監修・執筆者
安田 倫

安田 倫

自動車業界歴15年。株式会社MICに入社後は車関連の商品やサービスの新規開発に携わり、現在はニコノリの事業責任者を務める。2023年、ポルシェ911から日産リーフNismoに乗り換えてEVライフを満喫中。休日はハーモニカ奏者として横浜市のイベントでよく演奏している。