USS東京2024年12月のオークション、下落推移継続

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出品店の期待値高く流札目立つ
12月USS東京の集荷台数は62,045台、前年同月比では113.5%と二桁を超える増加率が継続、最終週は12,000台まで低下しましたが1開催当たり15,511台は過去15年でもっとも多い集荷台数となっておりUSS東京に出品台数が集中していることが分かります。
成約率は50%台目前の60.2%とまで低下、11月3週目から60%前半に突入し最終週は51.4%まで低下しており今年も例外なく急落しました。【グラフ1】

成約単価は1,532千円まで低下、2週目は年内納車が間に合うこともありスポット的に上昇、3週目以降は1,400千円台まで低下、単月で1,600千円を割り込んだのは4月以来となりました。【グラフ2】

ここ数年では11月に価格下落が留まることが多かったですが今年は7月に価格のピークを迎え9月から月を追う毎に下落が進んで行きました。全体的には出品店の期待値が高く売切りに届かず流札が目立ちました。商談スタート金額も高くこれまで上昇した相場感が残っていると感じられます。大型会場の出品台数は例年に比べても非常に多く応札の二極化は想像以上に高く、板金や修理が必要のない車両はしっかりと応札を集めていますが、板金や修理が必要な商品化まで時間を要する車両などはノーコール(応札がない状態)や相場の遥か下で流札するケースも例年以上に目立っていた印象です。
カテゴリー別の傾向
USS東京全体の成約率は前月比-4.2%と下落が目立ったことから各カテゴリーでも大幅に成約率が低下が目立っています。
下落がもっとも目立ったのは「ミニバン」で前月比-7.6%、「商用車」が前月比-6.2%、「RV」が前月-5.5%、「コンパクト」が前月比-5.3%と下落幅が大きく引合いが弱まりました。「軽自動車」においても前月比-4.8%と大きくなっています。
USS東京の人気コーナーである「初出品」「低価格」においてはいずれも-1.5%に留まっており他カテゴリーに比べると微減と言えます。【表1】

1月以降、どーなる?
12月は季節指数通り下落、後半における急落においても例年通りのタイミングで下がりました。
7月に最高値を更新してから小売価格に反映し、中古車の価格高騰が表面化していることで内需では販売が低迷傾向、AA仕入れから販売するスタイルから直接買取・下取りを販売車にするスタイルは以前よりも強まっており、販売向きではない加修要車両はAAに出品する傾向も増えてきていることからAA出品車の粗悪化が加速、評価点も甘くなってきています。以前に比べ4.5点でも加修を要することが多くなってきていることからも落札店にとってはAA仕入れが難しくなってきているのは確実です。今後もこの状況は継続し更に評価点の緩和は進む可能性もあります。
年明けは例年通り徐々に上昇すると思われます。昨年12月も急落を招きましたが1月から成約率・成約単価共にしっかり上昇が見られました。ただ2022年12月-2023年1月においては微増に留まる特殊ケースとなりました。それでも低下はしなかったこと考慮すると上昇することはほぼ間違いないと言えます。ただ、「上昇幅」に関しては未知数で例年通りの期待を持って買取・下取りするのは注意が必要です。
- この記事の執筆者
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倉田 佑一郎
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。