USS東京2024年4月のオークション、異常に高い!?

USS東京オークション 2024年4月

後半になるにつれて成約単価急上昇!!

4月USS東京の集荷台数は62,147台、前年同月比94.3%と若干の減少が見られますが前年の落札率が56.2%だったことを考えると今年は新規搬入車両が多かったことが分かります。

成約率は僅かに70%を下回ったものの69.5%を記録、前年同月と比べ+13.4%と3月に続き大幅に上昇、過去16年の中で東日本大震災の復興需要で爆発的に値上りとなった2011年4月に記録した71.9%に次ぐ成約率となっています。【グラフ1】

2022-24USS東京比較

成約率より更に上昇率が高い成約単価は、1,560千円を記録、前年同月と比べると+290千円となっておりコロナ前の通常月では考えられないほど上昇、後半の2週に至ってはいずれも1,600千円を超えており、異常な高値で取引されたことが分かります。【グラフ2】

2019-24USS東京成約単価

昨年1年間が超低調傾向だっただけに反動が大きく非常に高いと感じる競り結果となっています。特に記録的な円安以外、際立った外的要因が表沙汰になっていないだけに不気味な価格高騰と言えます。

特に最終週はどの年も長期休暇前ということもあり、下落傾向となりますが成約単価は逆に上がっている状況です。

カテゴリー別の傾向

USS東京全体の成約率は前月比-2.7%と微減ですがカテゴリーによって差が出ています。

成約率上昇が目立ったのは「ミニバン」が+2.1%となっておりこの時期らしい動きとなっており、「軽」「初出品」に関しては大きな変動は見られず、横這いで推移しました。

一方、「コンパクト」が前月比-7.8%と大幅な下落、「ハイブリッド」が-3.1%、「商用車」が-2.9%、「輸入車」が-2.1%となっており成約率において下落が目立ちました。【表1】

23年9~24年4月カテゴリー別の変動(USS東京1開催当たり

5月以降、どーなる?

4月においてもは例年とは違い、若干成約率は3月平均から下がったものの高成約率を維持しながら成約単価が上昇しました。

落札されている車両は非常に高く、手のかかる車両は流札やノーコールが目立っているこらも応札の差は車両によっても会場によっても非常に大きな差が出ています。記録的な円安で輸出向きの高騰が目立っていますが実際に輸出されるのはオークションで落札された4割程度なので国内需要においても引合いが強まっていると感じられます。出品店にとってはうれしい誤算であった感じられる一方で落札店側は予想に反した競り結果だっただけに売り玉をそろえられない販売店や無理にでも仕入れた販売店が多かったのではと思います。

ただここまで高騰した相場での仕入による国内の小売は価格が上昇しますので販売低下になる可能性があります。そうなると相場低下を招きますが季節指数が作用していないのでどのタイミングで下がるかは予想がつかない状態です。

例年通りの動きであれば5月以降徐々に出品数が減少し1台に対しての応札数が増加、全体的に値上がる傾向ですが季節指数が作用していないことからも外的要因や応札の良し悪しをいつも以上に注視する必要があります。

この記事の執筆者
倉田 佑一郎

倉田 佑一郎

自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。