リース満了後に法人が車を買取るとどうなる?メリットと注意点

法人でリースしている車が契約満了を迎えた際、「返却するべきか」「新たにリース契約を結ぶべきか」「買い取って使い続けるべきか」で迷う企業担当者は多いでしょう。会社の顔ともいえる車は常に新しいものにしたい反面、買い取り額によっては乗り続ける方が経費削減になることもあり、担当者にとっては悩むところです。
この記事では、法人がリース満了後に車を買い取る場合のメリットや注意点、他の選択肢との比較を詳しく解説します。
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法人が車を買い取るメリットとは?
カーリースは、コストや業務効率、会計処理の観点から見ても、法人にとって十分に検討する価値のある選択肢です。しかし、リース満了後に車を「買い取る」という選択には、どのようなメリットがあるのかを整理しておかねければなりません。
それでは、法人が車を買い取るメリットについてみていきましょう。
資産として計上できるようになる
リース期間中の車はリース会社の所有物であるため、法人の資産として計上できません。しかし、満了後に買い取ることで自社の固定資産となり、会計上の管理対象になります。これにより、減価償却を通じた節税効果が見込めるほか、資産価値としても車両を活用することが可能です。
使い慣れた車両をそのまま業務に活用できる
運転者が慣れ親しんだ車両を継続して使用できるのは大きなメリットです。操作に関する教育コストも不要で、従業員の負担軽減や事故リスクの低減につながります。特に、営業車や社用車として日常的に使用している場合、新車に切り替えるよりも業務効率を維持しやすいでしょう。さらに、既に導入済みの車載機器や車両管理システムなどをそのまま活用できる点も見逃せません。
残価設定によってはお得に購入できる
リース契約時に設定された残価は、リース終了時に買い取る際の基準価格になります。この残価が実際の市場価値より低ければ、割安に車を購入できることになります。また、使用状況や車両の状態を自社で把握しているため、安心して買い取ることができる点も魅力です。
法人でリース車を買い取る際の注意点と手続きの流れ
車を買い取る場合、仕事に支障をきたさないようスムーズに進めなければなりません。そのためには、契約内容の再確認や、必要な手続きをしっかり把握しておくことが重要です。
それでは、法人がリース車を買い取るときに特に注意すべきポイントと、実際の手続きの流れについてみていきましょう。
リース契約内容と買取条件の確認
リース満了日までに余裕を持って契約書を確認し、満了後の買取が可能かどうかをチェックしましょう。なかには、返却しか認められていない契約形態もあります。さらに、残価、走行距離、車両状態などによって追加費用が発生することもあるため、事前の確認が不可欠です。
車両の損耗やカスタマイズの有無によっては、想定外の費用を請求されるケースもあります。
名義変更や税務処理の対応が必要
車両を買い取る際は、リース会社から法人名義への変更手続きが必要です。これには、車庫証明や印鑑証明など、いくつかの書類準備と手続きが伴います。また、購入に伴って自動車取得税や環境性能割などの納付も求められます。
社内の総務や経理担当と連携し、正確な処理を行いましょう。
減価償却の開始と会計処理の見直し
買取後は、車両を固定資産として計上し、法定耐用年数に基づいて減価償却を開始する必要があります。これにより、毎年一定額を経費として計上できる一方で、帳簿管理や会計処理も増えるため注意が必要です。税理士や会計士へ委託している場合は、必ず事前に相談をしましょう。
買取・再リース・乗り換えどれを選ぶべきか?
法人として最終的に「買い取り」「再リース」「新車への乗り換え」のどれを選択するかは、買取価格や維持費、税務処理などさまざまな要素を比較して判断することが求められます。どれを選択しても、異なるコストや手続き、リスクとメリットがあるため、目的や経営方針に応じた慎重な検討が必要です。
それでは、その選択肢ごとの判断材料となる観点を詳しくみていきましょう。
買取・再リース・乗り換えの違い
法人向けカーリース満了後の対応パターンの違いは、以下のようになります。
選択肢 | 概要 | メリット | 注意点・デメリット |
---|---|---|---|
買い取り | リース満了後にそのまま車両を購入し、所有権を法人に移す | 資産計上が可能/使い慣れた車両を継続利用できる/長期的にコスト抑制 | 減価償却や名義変更などの手続きが発生 |
再リース | 同じ車両で新たにリース契約を結び直して継続使用 | 初期費用がかからない/短期間の利用に向いている | 車両の老朽化が進む/総支払い額が割高になることも |
新車への乗り換え | 新しい車両に切り替えて新たにリース契約を結ぶ | 最新機能や燃費性能の向上/車両トラブルのリスクが低い | 初期手数料や車両説明の手間/社員が慣れるまで時間がかかる |
このように買い取りを検討する前にそれぞれのメリット、デメリットを把握し、今後も安心して使えるかどうかを見極めましょう。車両が良好な状態であれば、買い取って使い続けることが効率よく仕事を進められます。
コスト比較で最も合理的な選択をする
車両の買取価格と、新たにリースする場合の初期費用や月額リース料などを比較し、どの選択肢がコストパフォーマンスに優れているかを検討します。短期的には再リースが有利でも、長期的に見れば買い取りの方が安く済むこともあります。
複数のリース会社で見積をしたり、シミュレーションを使って総額で比較したりするのがおすすめです。
法人の経費処理方針や予算状況に合わせる
経費処理の方針や予算状況も、選択の重要な判断材料です。たとえば、月額の支出を一定に保ちたい場合は再リースが向いています。一方、資金に余裕がある場合は買い取りによる一括処理の方がキャッシュフロー上メリットがあります。
企業の財務状況や会計方針に合わせて、最適な選択をおこないましょう。
まとめ
法人がリース車の満了後にどのような対応を取るかは、業務の性質や財務状況、車両の状態によって選択肢が異なります。買い取りは、資産計上が可能であったり、慣れた車両を継続使用できたりと、多くのメリットがあります。一方で、手続きの煩雑さや会計処理の変更も伴うため、事前準備と社内の連携が不可欠です。
再リースや新規でのカーリースとの比較をしっかりおこない、自社にとって最も合理的な選択肢を見極めましょう。
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- この記事の監修・執筆者
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河野みゆき
自動車業界で26年の経験を持ち、自動車保険募集人資格を保有しています。自動車保険だけでなく、女性目線で車の専門知識を広め、もっと自動車について知ってもらうため、ライターとして積極的に活動しています。