リース車の原状回復ってどこまで必要?見落としがちな注意点と費用対策

リース車の原状回復ってどこまで必要?見落としがちな注意点と費用対策

カーリースを検討する際、気になることのひとつが契約終了時の原状回復についてです。車を返却する際、どの程度まできれいにして戻せばよいのか、費用はどのくらいかかるのか、不安に思う人も多いのではないでしょうか。実際、原状回復は通常の使用による劣化と事故や不注意による損傷とで扱いが異なり、判断が難しい部分でもあります。

そこで、この記事ではリース車の原状回復の基本から注意点、費用の目安、トラブルを防ぐための対策まで、分かりやすく解説します。

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リース車の原状回復とは?

リース車の返却時に必ず出てくる言葉が「原状回復」です。しかし、その範囲や基準は意外と曖昧で、人によって認識が異なることも少なくありません。

それでは、原状回復の基本的な意味と考え方をみていきましょう。

原状回復の定義

原状回復とは、リース契約で借りていた車を、返却時に適正な状態で戻すことを指します。具体的には、借りた当初の新車同然の状態に戻すのではなく、通常の走行で想定される範囲を超えた損傷を修復するという意味です。つまり、生活の中で自然に発生する摩耗や軽度の汚れは問題にならない一方、事故や不注意で生じた大きな傷、破損は修理が求められるのです。

通常使用による経年劣化との違い

契約上、通常使用による劣化は原状回復の対象外とされています。たとえば、走行距離に応じたタイヤの摩耗や、日焼けによる塗装の多少の色あせなどは請求されません。一方で、ドアの大きなへこみやタバコによるシートの焦げ跡、ペットの引っかき傷などは通常使用を超える損傷と判断されるため、原状回復費用が発生する可能性があります。

リース会社ごとの原状回復基準の違い

ここで注意したいのは、原状回復の基準がリース会社によって微妙に異なることです。A社では許容される小キズが、B社では修理対象となることもあります。そのため、契約時に必ず原状回復についてのガイドラインを確認しておくことが必須です。

原状回復で注意すべきポイント

原状回復でトラブルになりやすいのは「どの部分が請求対象になるのか」という点です。特に外装や内装は目立つため、細かくチェックされやすい箇所でもあります。

それでは、返却時に注意したい具体的な部分についてみていきましょう。

ボディやガラスのキズ・へこみ

車の外装は最もチェックされやすい部分です。ドアのこすり傷やフロントガラスの飛び石跡は代表的な請求対象になります。特に、塗装が剥がれている、錆が広がっているなど放置された状態は修理費用が高額になりやすいため、早めの補修が望ましいです。

タイヤやホイール、消耗品の状態

タイヤは、摩耗具合が安全走行に影響するため、スリップサインが出ている場合は交換を求められることがあります。また、ホイールのガリ傷も原状回復費用の対象としていることが多いです。一方で、オイルやワイパーゴムといった消耗品は使用者の維持管理範囲であり、契約終了時に大きな請求にはつながらないケースもあります。

内装の汚れやシートの破損

車内の状態も重要です。コーヒーなどの飲み物によるシミやペットの毛、においが残っている場合はクリーニング費用が発生することがあります。また、シートの破れやタバコの焦げ跡は修理が必須となり、1箇所数万円単位の請求になることもあるため車内での喫煙や無理な荷物の積み下ろしなどには注意しましょう。

修理費用や追加請求の目安と回避方法

車を使用していると注意していてもキズや汚れがつくことがあります。その際、「原状回復どれくらい費用がかかるのか?」という点は、多くの人が最も気になるポイントでしょう。実際の費用相場を知っておくことや、過剰請求を防ぐ工夫をしておくことが、安心してリースを利用するために役立ちます。

原状回復費用の相場

原状回復の費用は、損傷の程度によって大きく異なります。小さなドアのキズなら1〜3万円程度、フロントガラスの交換は10万円前後、シートの張り替えは数万円から十数万円になる場合もあります。

リース車の返却時にまとめて請求されると大きな負担になるため、事前に相場感を知っておくことが重要です。

過剰請求を避けるためのチェックポイント

返却時のトラブルを避けるには、契約書で定められた原状回復基準を確認し、返却前に自分で車両状態をチェックすることが効果的です。また、写真を撮って記録を残すことで、過剰請求を受けた際に証拠として活用できます。

リース終了前にできる簡易メンテナンス

返却直前に簡単な清掃や点検をしておくことも有効です。洗車や車内清掃をおこなうだけで印象が良くなり、不要なクリーニング費用を請求されにくくなります。小さな飛び石キズや浅い擦り傷は、市販の補修材で対応できることもあります。

原状回復トラブルを防ぐ方法

原状回復トラブルで多く聞かれるのが「思った以上に費用を請求された」という声です。しかい、契約段階からのちょっとした工夫で、無駄な支出を防ぐことができます。

それでは、トラブル防止のための具体的な方法を紹介します。

契約書・約款で確認

原状回復のトラブルを避ける最も有効な方法は、契約前に約款や返却基準を細かく確認しておくことです。通常使用と修理対象の線引きがどのようにされているかを理解しておくことで、後から想定外の請求を受けにくくなります。約款を読んでもわからない場合は必ず担当者に確認をしましょう。

オプションサービスや補償プランの活用

リース会社によっては、原状回復費用を軽減できる補償サービスやオプションが用意されています。たとえば「小さなキズ修理無料」や「返却時の清掃費用込み」といったプランを選んでおけば、万一の際にも安心です。

リース会社への事前相談

気になる損傷がある場合は、返却前にリース会社へ相談するのも賢い方法です。リース会社によって違いはありますが、自社工場で安価に修理できたり、リース料に原状回復費用が含まれるプランがあったりと、追加費用が不要になるケースもあります。早めに相談しておくことで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。

まとめ

リース車の原状回復は「新車のように戻すこと」ではなく、通常使用を超える損傷を修復することが基本です。小さな経年劣化は問題になりませんが、大きなキズや内装の破損は費用が発生します。費用相場を理解し、契約前に基準を確認しておくこと、そして返却前に簡単な点検や清掃をすることでトラブル防止につながります。

カーリースは便利なサービスですが、最後に想定外の請求で損をしないためには、日頃からの意識と契約理解が欠かせません。これらのポイントを押さえておけば、安心してカーリースを活用できるでしょう。

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この記事の監修・執筆者
河野みゆき

河野みゆき

自動車業界で26年の経験を持ち、自動車保険募集人資格を保有しています。自動車保険だけでなく、女性目線で車の専門知識を広め、もっと自動車について知ってもらうため、ライターとして積極的に活動しています。