カーリースに任意保険を付けるべき？お得に利用するための基本情報を解説

自賠責保険とは

自賠責保険は、すべての車に加入が義務づけられている保険です。正式には「自動車損害賠償責任保険」といい、交通事故の被害者を救済するための制度として位置づけられています。

通常は任意の損害保険会社で加入手続きを行う必要がありますが、カーリースでは自賠責保険の加入はリース会社側で行われます。そのため、利用者が個別に手続きする必要はありません。

補償の対象は「対人」のみで、事故によって相手が死傷した場合に限られます。対物損害（車や建物、ガードレールなどモノの損傷）や運転者自身のケガ、破損した車の修理費用などは補償されません。

任意保険（自動車保険）とは

任意保険（自動車保険）は、自賠責保険で補えない部分をカバーするための保険です。対人だけでなく、対物、運転者や同乗者のケガ、自車の修理費用まで幅広く対応できるのが特徴です。

加入は義務ではないものの、万が一の事故に備えて多くの人が加入しています。実際のデータによると、自家用車所有者の約8割が任意保険（対人賠償）に加入しているようです（参照：損害保険料率算出機構「2023年度自動車保険の概況」）。

カーリースに任意保険が必要な理由①自賠責保険では補償が不十分

では、なぜ自賠責保険だけではなく義務化されていない任意保険に加入する方が多いのでしょうか？

それは、補償の範囲が自賠責保険と異なるためです。自賠責保険は事故の被害者への最低限の補償に限定されており、自損事故や対物賠償、リース車の修理費用には対応していません。

実際の事故では自車の損傷を修理する費用や建物・車など他人のモノを壊した際の賠償が必要になるケースも多いため、任意保険による補償が不可欠となります。

カーリースに任意保険が必要な理由②原状回復義務に対応するため

カーリースでは、契約満了時に車を原状に戻して返却する義務（原状回復義務）があります。事故や傷で車両にダメージがある場合、その修理費用は契約者の自己負担となります。

車両保険付きの任意保険に加入しておけば、こうした修理費もカバーできるため、高額な費用を負担せずに済みます。

カーリースに任意保険が必要な理由③全損事故時のリスク軽減

リース車が事故などで全損となった場合、契約は途中解約扱いとなり、残リース料や車の残価に相当する金額の支払いが発生することがあります。まとまった支払いを避けられるのがカーリースのメリットですが、こうした事態が起こると大きな費用負担が生じる可能性が考えられるでしょう。

こうした事故のリスクに備えるには、車両保険付きの任意保険が役立ちます。

対人賠償保険

他人を死傷させてしまった場合の補償が対象となるのが対人賠償保険です。治療費や慰謝料、働けなくなったことによる損失（逸失利益）などが含まれます。

自賠責保険にも似た補償はありますが、上限があるため高額な賠償になる事故では十分ではありません。そのため、任意保険で無制限の対人賠償を設定するのが一般的です。

万が一のリスクに備えるうえで基本となる補償です。

対物賠償保険

事故で相手の車やガードレール、店舗の外壁などを壊してしまった場合に補償されるのが対物賠償保険です。特に高級車や業務用設備を壊してしまった際は、損害額が数百万円から数千万円にのぼることもあるため、加入が強く推奨されます。

補償額無制限の対物賠償保険を選んでおくことで、想定外の高額請求にも対応でき、安心して運転ができます。

人身傷害保険

人身傷害保険は、事故で自分や同乗者がケガをしたり死亡したりした場合に、実際にかかった費用を補償する保険です。

過失の有無に関係なく保険金を受け取れるため、相手との示談を待たずに治療費や休業損害が補填されます。

プランによっては、車に乗っていないときの事故にも対応するものがあり、補償の広さが特徴です。

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険は、契約中の車に乗っていた人が事故でケガや死亡をした場合に、あらかじめ決められた金額が支払われる保険です。人身傷害保険との違いは、実際の損害額ではなく定額で補償される点です。

支払いが早く、手続きが簡単なことから、人身傷害保険の補完として併用されることも多くなっています。

車両保険

車両保険は、自分の車が事故や火災、自然災害、盗難などで損害を受けた場合に、修理費用や車の損失を補償する保険です。「一般型」は補償範囲が広く、「エコノミー型」は内容を絞った分、保険料を抑えられるという違いがあります。

カーリースの場合は、契約満了時に原状回復して返却する必要があるため、万が一の修理費を補える車両保険の加入は非常に重要です。また、事故で全損となった場合に保険金で残価・中途解約金の支払をカバーできる保険もあります。

リース車両が補償対象であるかの確認

カーリースの車両は所有権がリース会社にあるため、自家用車とは保険の契約条件がやや異なります。リース車への適用に制限があったり、補償内容が限定されたりする可能性がある点には注意が必要です。

任意保険に加入する際は、補償対象にリース車が含まれているかを必ず確認しましょう。

カーリースに適した補償内容になっているか

リース車には原状回復の義務があるため、それに対応できる補償内容を選ぶことが求められます。特に注目すべきは「リースカー車両費用特約」といった名称の特約です。

これは、万が一全損事故などでリース契約を中途解約せざるを得なくなった場合、発生する残価や違約金の支払い分を補償してくれる特約です。この特約を選べば確実にリース車両であっても補償対象に含まれるため、保険を選ぶ時も安心です。

車両保険への加入可否

特にカーリースでは、万が一事故で全損となってしまった場合に高額な支払いが発生する可能性があります。そのため、こうした支払いに対する対策となる車両保険に加入できるかどうかは非常に重要です。

特に高額な車種・グレードをリースする場合は、保険の有無が安心感に直結します。対人賠償保険といった基本的な任意保険だけでなく、車両保険に加入できるタイプを選ぶようにしましょう。

任意保険付きのカーリースを選ぶべき？

カーリース会社によっては、サービス内容の中に任意保険があらかじめ含まれているサービスもあります。この場合はリース契約と同時に保険の手続きも完了するため、補償内容を一から選んだり、保険会社とやり取りしたりする手間がかかりません。

保険料も月々のリース料金に組み込まれており、費用管理の面でもわかりやすいのが大きなメリットです。

ただし、注意点としては保険の等級が据え置きとなることが多い点です。通常は事故なく長期間運転すると段々等級が上がり、任意保険の料金も下がりますが、任意保険付きのカーリースでは等級も支払い料金も同じです。そのため、既に等級を持っている方には不利になる場合があります。

また、こうしたカーリースでは任意保険の内容が自由に設計できず、自分にとって不要な補償が含まれていたり、希望する特約が付けられなかったりすることも考えられます。サービス内容に含まれる任意保険がどのような内容なのかチェックすることが大切です。

カーリース特化型任意保険とは

カーリース特化型の任意保険では、リース契約に特有のリスクを補償する特約が用意されています。例えば、車が全損となりリース契約が中途解約になる場合、通常の保険ではカバーできない違約金や残価分の費用まで補償の対象となるケースがあります。

これにより、高額な自己負担を避けられる可能性が高くなります。一般的な任意保険ではこうしたカーリース特有のリスクへの対応が難しいため、カーリース特化型保険ならではの補償が安心感につながります。

カーリース特化型保険と通常の任意保険の違い

カーリース特化型任意保険のメリット

カーリース特化の任意保険は、リース車特有のリスク（全損時の違約金や残価負担など）に対応するための特約があらかじめ設けられているのが最大の強みです。

また、事故対応も保険会社とリース会社が連携して行ってくれるため、初めてカーリースを利用する方や、手続きに慣れていない方にとっては安心できる選択肢です。

通常の任意保険のメリット

一方で、通常の任意保険は補償内容や特約を自分の好みに合わせて細かく選べるため、自由度を重視する方には適しています。

ただし、デフォルトの設定ではカーリースに特化した補償がついていない場合も多いため、必要な補償が含まれているかの確認は欠かせません。

どちらも異なる長所があるため、自分に向いているシステムの任意保険を選ぶことが重要です。

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