自己破産すると車は使えない?自己破産が車の所有にもたらす影響

自己破産すると車は使えない?自己破産が車の所有にもたらす影響

さまざまな事情から、経済的な苦境に立たされることがあり、その中で自己破産という厳しい決断を下すことが時折必要となります。しかし、この一大決断が車を所有することに対してどのような影響を及ぼすのでしょうか。

この記事では、自己破産がもたらす影響や車の購入やリースにおいてどのような選択肢があるのか、自己破産と車の所有の複雑な関係を明らかにし、厳しい現実に直面した際に賢明な選択を行うための方法を解説していきます。

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自己破産と車購入への影響

車を所有する際、自己破産がどのような影響をもたらすのか?まず、自己破産の基本的な概念から見ていきましょう。

自己破産とは?

自己破産は、個人が負債に苦しむ状況から抜け出る手段の一つとして行われる法的な手続きです。一般的な自己破産手続きでは、弁護士の協力を得ながら裁判所に自己破産の申し立てを行います。この際、具体的な資産や債務の状況を正確に申告することが求められます。そのうえで債務者との交渉を行うのです。

自己破産がもたらす影響

自己破産がもたらす影響は、個人の財政状況や信用履歴などさまざまな点に及びます。最も影響があるのは信用履歴です。破産が登録されると、その情報は長期間(通常は最大で数年)にわたり信用報告機関に残ります。これにより、新たな融資やクレジットの取得が難しくなるのです。また、自己破産手続きでは一部の資産が売却され、その資金が債権者への返済に充てられることがあります。

  • 信用情報への登録
    破産履歴が5~10年程度、信用情報機関に残るため、その間はローンやクレジット審査が非常に厳しくなる
  • 資産処分
    保有している資産(一定額以上の車・不動産など)は処分され、債権者へ配分される場合がある
  • 経済活動の制限
    破産者として一定期間、資格制限がかかったり、新たな融資を受けにくくなったりする

このように、自己破産が登録された場合、新しい信用を築くことが難しくなるのです。

車の所有と破産手続きの相互関係

車の所有と破産手続きは密接な関係にあります。破産手続きにおいて資産や債務の整理が行われるため、所有している車にも影響が及ぶのです。破産手続きを始める際、まず所有しているすべての資産を正確に申告しなければなりません。資産には車も含まれますが、生活に必要な範囲内で使用される車は「生活必需品」と見なされ、破産手続きにおいて保護されることがあります。これは、仕事や日常の生活を維持するために車が不可欠である場合が考慮されるものです。

カーリースの仕組みとメリット

自動車の購入には高額な初期費用がかかり、車の保有に伴う様々なリスクが存在します。そこで注目されるのが、「カーリース」と呼ばれる選択肢です。

それでは、カーリースの基本原則とそのメリットについて詳しくみていきましょう。

カーリースの基本原則

カーリースとは、車を所有するのではなく、一定期間ごとに車を借り受ける仕組みのことです。カーリース契約では、車の価値減少やメンテナンス費用を考慮して、毎月一定額の支払いが発生します。これにより、予測可能なコストで新しい車を利用することが可能です。契約時には、特定の期間(通常は数年)および年間の許容走行距離が契約書に定められます。これに基づいて、車を利用することが決まるのです。

カーリースのメリット

カーリースには、車を所有することと比較してもさまざまなメリットがあります。車を購入する場合、高額な初期費用がかかりますが、カーリースでは初期投資を抑えることが可能です。また、定期的な車の乗り換えやメンテナンスにかかる手間の軽減など、購入するよりも気軽に車に乗ることができるのです。

カーリース契約の注意点

新しい車に乗り換える際、カーリースは便利で柔軟な選択肢ですが、注意が必要なポイントが存在します。

それでは、カーリース契約を検討する際に留意すべき重要なポイントと、隠れた費用に対処する方法について挙げていきます。

契約書の重要なポイント

カーリース契約書には契約期間や解約条件、走行距離制限などの規約が細かく記載されています。これらを注意深く確認し、将来的な変化や予期せぬ事態に備えることが重要です。また、突然の解約に伴う違約金や条件について理解しておくことが必須となります。

それに加えて、契約書には修理やメンテナンスに関する規定が記載されています。新車保証の範囲や自分での修理がどの範囲からになるのか確認しましょう。修理が契約条件に違反する可能性がある場合、修理費用は自己負担となるため注意が必要です。

隠れた費用とその対処法

一般的なカーリースは、月々定額払いでメンテナンス料や自動車保険も含まれています。しかし、契約書を確認すると、そこには隠れた費用が記載されていることがあるのです。費用の主なものには、規定外のメンテナンス料や自動車保険の補償追加分などが挙げられます。

メンテナンス料は、あくまで基準に沿ったメンテナンスに対しての料金であり、全てのメンテナンスがカバーされているわけではありません。また、自動車保険でも車両保険や賠償保険の無制限など幅広い補償は自己負担で加入しなければならない契約もあります。

さらに、カーリース契約を解約する際には、追加の諸費用が発生する可能性があります。解約前にこれらの費用について明確に確認し、不明瞭な点があればカーリース会社としっかりと話し合うことが必要です。

カーリースと自己破産の複雑な関係

カーリースと自己破産、両者は複雑ながらも密接な関係を持っています。

それでは、カーリースと自己破産の関連性と自己破産後の解決策を含め将来の車の選択について詳しくみていきましょう。

カーリースと自己破産の関連性

カーリースの契約途中に自己破産した場合、以下のようなことが関連してきます。

  • カーリース契約中に自己破産が発生すると、契約の継続が難しくなります。破産手続きにより、資産の整理や債務の免除が行われ、これが契約に影響を与える恐れがあるのです。
  • 自己破産は、クレジットスコア(信用偏差値)に大きな影響を与えます。一般的なカーリース契約では、クレジット履歴の確認が行われます。その際、自己破産が契約の条件に影響を与えることがあるのです。
  • 自己破産の履歴は、情報機関で管理されているため自己破産して数年が経過してからカーローン契約をしても審査が通らない可能性があります。そのため、車を持てない期間が長期にわたる恐れがあるのです。

解決策と将来の車の選択

自己破産後の解決策と将来の車の選択において、一番のカギとなるのがクレジットスコアの回復です。車の購入を検討するにしてもカーリースを利用するにしても慎重な債務整理と正確なクレジット管理が必要です。また、一括払いをして中古車の購入が新たなスタートに繋がる可能性があります。将来の車の選択に際しては、現実的なニーズと予算を考慮し、信頼性のあるディーラーや販売店とのコミュニケーションが重要です。

自己破産後のクレジットスコアの回復と車の入手方法

自己破産後は、信用情報に破産履歴が残るためローンやリース契約の審査は厳しくなります。しかし、下記のステップで将来的に車を持てる可能性はあります。

  1. 自己破産手続きを完了
  2. 信用情報のブラック期間(5~10年程度)
  3. ブラック情報削除後、少額クレジットなどで信用実績を再構築
  4. 車のローン・リース審査を再度検討

なお、ブラック期間中に車が必要な場合は、現金一括購入や家族名義での契約など、他の方法を模索する必要があります。

家族名義で車を持つ際の注意点

自己破産者本人が契約できない場合、家族名義で車を取得・リースするケースも考えられますが、以下の点に留意が必要です。

  • 名義の整合性
    保険や税金、事故時の責任は原則として名義人(家族)にある
    実質的な所有が自己破産者の場合、金融機関から「名義偽装」と見なされる恐れがある
    支払い遅延があると、家族の信用情報にも傷がつく

家族と十分に話し合い、リスクを納得のうえで契約することが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 自己破産後すぐにカーリース契約は難しい?

一般的には難しいです。信用情報に破産履歴が残る間は審査に通りにくく、ほとんどのリース会社が契約を断る可能性が高いです。

Q2. 自己破産前に車をリース中だった場合、どうなる?

破産手続きでリース契約が解約され、車を返却せざるを得ないケースが多いです。リース会社も保全のために車を引き上げる場合があります。

Q3. 車がどうしても必要な地域の場合の対処は?

弁護士と相談し、「生活必需品としての車」であれば価値が一定以下の場合、破産手続きでも没収されない可能性があります。あるいは家族名義で所有するなどの方法があります。

Q4. ボーナス併用や頭金を用意すれば審査は通りやすい?

自己破産直後は金銭的負担だけでなく信用面が問題なので、頭金を入れるだけでは解決しない場合が多いです。信用情報が回復するまで待つほうが現実的です。

まとめ

自己破産によって信用情報が傷つくと、車の購入ローンやリース審査が通りにくくなるのは事実です。しかし、生活必需品としての車がどうしても必要な場合は、弁護士と相談しながら破産手続きを進めたり、家族名義での車所有や一括購入の安価な中古車を検討するなど、いくつかの対処法があります。

また、破産後数年が経過して信用情報から破産記録が消えれば、再びローンやリース契約を行える可能性が高まります。その間は家計を立て直すことを優先し、適切なクレジット管理を行いながら、新たな車の所有を目指すと良いでしょう。この記事を参考に、自己破産という厳しい状況でも自分に合った車の利用方法を見つけ、より良い再スタートを切ってください。

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この記事の監修・執筆者
河野みゆき

河野みゆき

自動車業界で26年の経験を持ち、自動車保険募集人資格を保有しています。自動車保険だけでなく、女性目線で車の専門知識を広め、もっと自動車について知ってもらうため、ライターとして積極的に活動しています。