【修復歴車の見極めポイント第4回】フロント編「フロントインサイドパネル」
前号では「フロントクロスメンバー(第一メンバー)」について触れました。修復歴の中でも比較的軽い箇所ですが、「見落とし」が多い箇所でもあります。車体下部に位置しているフロントクロスメンバーは非常に確認しづらいので、視点を変えて様々な方向から確認することが重要です。
今回は、「フロントインサイドパネル」について触れていきたいと思います。
- 目次
フロントインサイドパネル(インパネ)とは
車体の前部(フロント)、左右フロントフェンダー内側(エンジンルーム内側)にある骨格となります。外側の左右フロントフェンダーは、比較的簡単に取り外しが可能ですが、インサイドパネルは車体に溶接されており、大概の車体はフロントサスペンションを支えるとても重要な部分となります。
また、強い衝撃が加わった際はキャビンを守るべく、衝撃を吸収するような設計にもなっており、ある一定以上の事故等をおこした場合は、修復・交換をされている可能性が高くなり、修復・交換がしっかりされているか否かで、アライメントの狂い(編摩耗)や走行に不具合をきたす場合もあります。
見極めのポイント
査定の基本的な考え方である「外から内」を基準として、まず外板パネルの交換や修正歴を確認してから、インサイドパネルを確認していく手順となります。インサイドパネルは、他の部位に比べ範囲が広いため、外に近い部分とより内側に近い部分であれば、外に近い部分が先に損傷をうけますので外に近い部分を見ていくのが正しい手順となります。
※①→②→③の順番で見ていきます。
-
- STEP1:左右フロントフェンダーのボルトを確認していきます。
-
- STEP2:左右フロントインサイドパネル結合部、シーラント、修正機跡を確認していきます。
-
- STEP3:左右フロントインサイドパネル結合部及び、左右フロントインサイドパネルの歪、曲がりを確認していきます。
目視しで確認しずらい場合
先端部分に関しては、上から覗くだけでは確認しずらい場合が多く、場合によっては、コーナーレンズを取り外して確認したり、タイヤハウスライナーを外し位置から覗きこんで確認するいった方法が必要となります。
次回は、修復歴の中でも敬遠される「カウルパネル」「フロントサイドメンバー」について触れていきます。
- この記事の執筆者
-
倉田 佑一郎
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。