【修復歴車の見極めポイント第2回】フロント編「コアサポート」
修復歴を見分けるには、まず外板パネルの交換や修正跡を探っていきます。査定は「外から内」を見ていくのが基本となる為、まずは外板パネルの損傷を見極めることを前号でお伝えしました。
今回は、フロント回りの外板パネルに交換・修正跡が見られた場合、次のステップとして「コアサポート」について触れていきたいと思います。
- 目次
ラジエーターコアサポート(アッパーサポート+ライトバッフル)とは
ラジエーターが固定される車体骨格の部分でアッパーサポートとライトバッフルを併せて「コアサポート」と呼びます。ほとんどの車両であれば最前部に位置し、追突事故を起こした場合、交換もしくは修正されることが非常に多い部分です。
最近の車では、衝突安全ボディ等、衝撃を吸収する設計になっており、軽微な衝突でも歪や曲がりが生じやすい部分ですがコアサポートの交換・修正のみでは、修復歴扱いとはならず、オークションなどでは評価点「3.5点」となります。
また、コアサポートがない車体や、プラスチック樹脂製(以前はほとんどが鉄・アルミ)等もあります。
コアサポートの交換、修正では修復歴にはなりませんが、コアサポートに手が加わっている車体は両サイドに繋がるインサイドパネルを修復している可能性もありますので、査定をする際には、一歩奥まで見る必要があります。
見極めのポイント
コアサポートは、車両の前部分の上位に位置している場合がほとんどですので比較的他の骨格に比べ目視で確認しやす部分ですが、下記のステップに沿って見ていくことで交換・修正・損傷などの発見がしやすくなります。
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- STEP1:左右のライトの違い・ボンネット・左右フロントフェンダーの板金跡、交換歴を確認していきます。
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- STEP2:コアサポート両サイドの左右ボルトを確認していきます。
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- STEP3:コアサポート両端の取付部、シーラント及びスポット溶接を確認していきます。
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- STEP4:ライトバッフル(コアサポートの一部)の修正、各結合部を確認していきます。
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- STEP5:コアサポート交換の発見の手順
コアサポートの修正・交換が確認できた場合、その先にあるフロントクロスメンバーやフロントインサイドパネルに損傷がある可能性が高くなります。次回はいよいよ「修復歴」になる箇所に触れていきたいと思います。
- この記事の執筆者
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倉田 佑一郎
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。