USS東京2025年3月のオークション、成約単価は急落へ

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一方で成約率は落ち切らず横ばい
3月USS東京の集荷台数は77,529台、前年同月と同週ながら1開催あたり、113.3%と出品台数が集中、その他、USS名古屋・HAA神戸などの大型会場やUSS横浜・CAA東京CAA中部も増加しています。
成約率は例年、3週目あたりから大幅に下がる傾向にありますが最終週においてもほぼ横ばいで推移し月平均65.1%の結果となりました。この傾向は大~中会場にも多く見られ、小規模会場ほど月後半の成約率低下が目立っています。【グラフ1】

成約単価は1,542千円、前年同月比では+28千円ですが前月比では-112千円と下落幅は非常に大きくなっています。特に後半からは明らかな下落が見られ最終週は大幅に低下した会場が多いです。【グラフ2】

成約率自体は大きな下落が見られなかったものの、成約単価が大きく下がっていることから高年式車を中心とした高額車の相場下落が目立ってきています。またこれから相場の低調傾向となること、期末といことで売却しときたいということもあり、売切っている出品店も多かったと感じられます。
カテゴリー別の傾向
USS東京全体の成約率は前月比-1.1%微減だったこともあり各カテゴリーで大幅な変動は無く、微減に留まっているカテゴリーが多い中、唯一、「RV」が前月比で成約率が-4.2%と目立ちました。
一方で、前月比を僅かに上回ったのが「コンパクト」「ミニバン」となっています。【表1】

4月以降、どーなる?
出品台数はここ数年で非常に多く、3月はある程度、成約率は維持したものの、これ先の閑散期を踏まえ、出品店側が売切ってきている競りが多く見られました。高年式の流札の多さ、一方で中古年式の良質車は相場以上の競り結果も多く見られます。輸出に関しても一部が強いものの、為替変動を意識してか全体的には様子見といった競り状況となっており、「応札に二極化」は非常に強まっていると言えます。
4月は繁忙期後の閑散期とあって全体的な需要は低下することから更に応札は弱まることが予想されます。更に残留車も多いことから応札の偏りは続き、これまで形成してきた高値相場が崩れ、新たに相場が形成される時期へと入ってくるため、「変動幅」はより大きくなる可能性があります。
- この記事の執筆者
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倉田 佑一郎
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。